『みかん』





「――美味いですよね?俺結構好きです、みかん。
偶に酸っぱいのに当たるとガッカリするけど……」
「あ、それ分かります。うわ外した、ってなる」

「そうそう」
「でも、まだ時期じゃないですよね?
もう少し寒くなってからが本格的というか何と言うか…。ほら、みかんは炬燵とセットみたいなイメージあるし」

「あ!駄目ですよ、イルカ先生そんな事言ったら!!
亀管理人が更新出来ずに、もしかしたら冬真っ只中にこれ読んでる人がいるかもしれないじゃないですか!」
「何ですか、ソレ…。と言うか、もう暴露しちゃった時点でアウトだし」

「それもそうですね」
「うわ、サラッと切り捨てた」

「それより『みかん』ですよ、みかん」
「『みかん』ねぇ〜…、美味いですよねぇ〜…」

「それ、さっき俺が言いました」
「分かってますよ。
そうそう、みかんと言えば、汁飛ばしとかってしませんでした?」

「汁飛ばし、ですか?」
「あれ、知らない。もしかして結構育ちがよろしい感じですか?」
「育ちの良し悪しは…普通だと思いますけど。何ですか、汁飛ばしって…」

「みかん食べるときって皮剥きますよね?」
「そりゃまぁ…」

「剥いた後の皮を使うんですけど、
皮の内側を挟みこむ感じに軽く二つ折りにするんですよ。――あ、このメモ帳でいいかな。コレを剥き終わった皮だとしましょう。こうして緩く曲げるんですよ」
「はぁ」

「で、コレを飛ばしたい方向に向けて、ぎゅって強く折り曲げるんです。
そしたらみかんの皮の表部分の汁が飛び出す、という仕組みです。これ凄く単純で簡単ですけど、飛距離・攻撃力と共にハンパ無いんですよねぇ〜…」
「そうなんですか?」

「えぇ、目の近くに飛沫が飛んでこようものなら最悪です。痛いですよー!
ま、それでよく怒られましたけど」
「……」
「どうかしました…?」

「イルカ先生って、何気にやんちゃなお子さんですよね。話に聞く限り」
「そうですか…?フツーでしょ。
――あ、そうだ。何なら今年の冬にでも試してみます?俺、結構狙うの巧いですよ」

「謹んで辞退させて頂きま〜す」











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