うそ





「…イルカ先生、別れて下さい」
「いいですよ?」

「…え?」

いきなり切羽詰った顔をして何を言い出すかと思えば…。

イルカは小さく息をついた。

驚くならそんなこと言い出さなきゃいいのに。


「あの…、イルカ先生ホンキで言ってます…?」


だから、動揺がだだ漏れですって。

感情を殺すのが忍び。
里でも一目置かれる存在である筈の上忍がそんなことでどうするんだか。

一度任務に赴けばそれこそその全てを抹消して修羅にもなりきる男が、里に…いや、自分の元ではその欠片さえ微塵にも伺えない。
でも、そんな情けない姿も嫌悪の対象なんかではなく、


……可愛いなぁ、とか思っちゃうんだから、俺も相当重症かも……


好きです、愛してます、だの絆されて、
いつの間にやら身体の関係まで持っちゃって。
しかも自分が下ときた。


でも、
それでも、

好きなんだから仕方ないじゃないか。


「――カカシさん」
「あ…、はい」


改めてカカシに向き直ると眉尻を下げて情けない顔。



「ウソなんてのはもっと上手につくもんですよ」



「…え?」

「そんな未練タラタラな顔で言われても説得力ありません、つぅか、モロバレ。
ウソならウソで、もっと上手についてください。―――例えば、俺みたいに」

「え?あ…イルカ先生、もしかして…」



「気付いてますよ、今日はエイプリルフールでしょ。
あんまり俺を舐めないことです、一応これでも昔は相当の悪ガキで通ってますからね。こういった行事を見逃すわけないでしょう?」

「じゃあ、イルカ先生っっ!!」


見る見るうちに明るくなるその表情に、思わず苦笑が漏れる。
任務だったなら、素面でだって平気で嘘をつけるだろうに。自分の前ではどうにも上手くいかないらしいこの上忍が愛しくて愛しくて。


「今日は、嘘をついてもOKな日ですから…一応、許しますけど。今度そんなこと言い出したら怒りますからね。そんなこと、嘘でも言わないで下さい」

「はぁい、イルカ先生大好きです〜vv」


ぎゅう、と抱きついてくるその力だけは立派に上忍で、

「それも嘘ですか…?」
「違いますよ〜っ!!」

ちょっとだけイジワルしてみた。











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20050401 UP






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